和歌山 興国寺 天狗まつり


1月14日(月曜日)

和歌山県由良町にある 鷲峰山 興国寺(じゅぶざん こうこくじ)に行ってきました。

興国寺では毎年成人の日に、

天狗と虚無僧が同時に見られる『天狗まつり』が催されます。



天狗様のインパクトが強いですが、

興国寺は日本における“虚無僧の始まりの地”といえる

虚無僧の歴史において大変重要な場所なのです。



天候に恵まれ、雲ひとつない澄んだ青空。昨年は雨だったそうな。

山の上では大きな白い風車が穏やかに回っています。


線路沿いに見える家のお庭にはみかんの木が何本も植えられていて、

橙色のきれいに実ったみかんがたくさん土の上に落ちていました…


和歌山駅から約1時間。紀伊由良駅に到着です。

こんな趣ある駅なら毎日でも通いたくなります。

切符は駅にいる車掌さんへ手渡し。

興国寺へは徒歩で12〜13分くらいとの事。



駅前の案内図にも虚無僧が描かれています。かわいいですね。

(虚無僧の絵は右手と左手の上下を逆に描かれることが多いような…?)



駅から興国寺へは1km。徒歩30分との情報もありましたが、

実際には写真を撮りながらてくてく歩いても12分くらいと近かったです。




山門をくぐると開けた地に法堂がありました。ついに、来る事ができました。


手を合わせご挨拶をさせて頂いた後、庫裏の方へ。

ちょうど玄関に「和尚さま」と呼ばせて頂きたくなるような、優しそうな空気をまとった方がいらしたので、御朱印をお願いしました。忙しい日なので難しいかとも思っていたのですが、快く書いて下さいました。


嬉しかったのが、婦人会の皆様があったかいおうどんやおにぎり、甘酒を用意して下さっていた事と、設備が整った水洗のお手洗いが境内にもありました。お食事とお手洗い、本当に大事です。ありがたいことです。おうどんとてもおいしかったです。


初めて立ち入る場所というのは少し緊張しますが、

想像していたよりも良い意味でアットホームな空気感で、

あきらかにこの地の者ではない私にも皆様温かく接して下さいました。


境内最奥にあるこちらが開山堂です。屋内に木造の法燈国師坐像が安置されています。

(法堂の奥にある禅堂&開山堂は一般立入禁止です)


中国から伝えられた普化宗が、何故天蓋をかぶる虚無僧の姿に行き着いたのか…個を無くす=顔を隠すだけなら、深編笠でなくても良いと思うのですが、謎は深まるばかりです。



寺紋は笹竜胆(ささりんどう)。調べた所、源氏にまつわる家紋であるとか。

興国寺(元は西方寺)は27歳で暗殺された源実朝(源頼朝の四男)を

弔う為に建てられたお寺であるそうなので、納得です。


この日集まられた『法燈会』の虚無僧の方々の装束にも笹竜胆の紋が施されていました。



13:30 記念撮影。そして天狗まつり開始です。

まずは天狗堂で虚無僧尺八と僧侶による読経。

使用している尺八は一尺八寸。奏でるは本曲 調子との事。


「天狗堂、天狗舞台への先導」「舞台での天狗の舞」の2本の動画を

ホームページ VIDEO にアップしました。

今回、尺八の音を記録として残せたらと思い動画で撮っていたので

写真は少なめとなりましたが、ご興味ある方はご覧頂けたら幸いです。


もしスマホでのご視聴で動画がうまく再生されない場合は、

『悠々千古心』トップページからVIDEOページを開いて頂けたらと思います。




巴の紋の絡子を着けた左の方は、京都『明暗導主会』の虚無僧様です。

お声をかけさせて頂き、帰路の電車内でお話を聞かせて頂きました。


驚いた事に、昨年の夏頃に関西のテレビ番組で

京都明暗寺と虚無僧の特集で出演されていた虚無僧様でいらっしゃいました…!

2018年7月5日放送

MBSちちんぷいぷい【昔の人は偉かった】のコーナーより


関東では放送されない番組でしたが、

Web上で再放送された際にばっちり録画していました。

見返してみると、おおお…ほんとうだ…

お疲れの所、本当にありがとうございました!




御朱印と、開山煎餅と、金山寺味噌。

天狗まつりの最後に行われた餅まきで拾った紅白のお餅もおいしかったです。

(何故かやっぱり右手と左手の上下が逆なのです)

(昔は、今とは上下逆に尺八を持っていたのでしょうか)



『悠々千古心』

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悠々千古心BLOG

日本各地の虚無僧を追った記録。尺八のことや旅のことも時々。

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